なぜ失恋ソングの名曲は素晴らしいのか?「関ジャム」で歌詞を徹底分析した楽曲

”分析型”で人気となっている音楽バラエティ番組『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系 日曜23:10~)の3月11日(日)放送回は、新コーナー”名曲には理由がある”の第一回として、人気失恋ソングの歌詞をテーマに徹底分析がなされた。分析を行うゲストとして作詞家のいしわたり淳治、zoppが出演。自身も職業作詞家として活躍する、いわば”作詞のプロ”が作詞を分析するという、この番組ならではの切り口におもわず納得し、改めて紹介された楽曲を聞き返したくなった人も少なくないはず。

番組では「失恋はだれでも経験するということは昔も今も変わらないけど、現在はSNSが発達していることで、一人で失恋の悲しみを感じる時間が少なくなる。つまり失恋の曲を聴く雰囲気にも、失恋の曲を作る雰囲気にもならない時代になっている。それゆえに失恋ソングの新曲がヒットしずらい状況なのかもしれない」という驚きの分析まで飛び出した。

そこまで深堀りするこの音楽バラエティ番組で紹介された失恋ソングの名曲達は、珠玉だった。

 

「10代~50代の男女による”好きな失恋ソング”」
(『関ジャム完全燃SHOW』調べ)

10位:大塚愛「プラネタリウム」
プラネタリウム/大塚 愛

<番組での解説>
サビの前に置かれている「花火」という華やかなのに儚い、失恋ソング最高のキーワードを絶賛。ひと夏の恋は短く、自分の見たものと失恋をした時の喪失感が花火が消えた時に似ている(昨年大ヒットした「打上花火」(DAOKO×米津玄師)にも同様の傾向がみられる。)。番組最後では大塚愛本人と関ジャニ∞メンバーとのセッションという豪華な一幕も。リリースされたのが2005年、20~30代の女性の支持が圧倒的な楽曲。

 

9位:ゴールデンボンバー「女々しくて」
女々しくて/ゴールデンボンバー
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<番組での解説>
ゴールデンボンバーを代表する曲。失恋で悲しいの気分も吹き飛ばせる、ある意味今の時代に合っている失恋ソング。

8位:米津玄師「メトロノーム」
Bremen/米津玄師
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<番組での解説>
10代から共感の声が多く集まる、アルバム「Bremen」収録曲。

 

7位:杏里「オリビアを聴きながら」
ANRI the BEST/杏里
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<番組での解説>
50代に多く支持を得た杏里のデビュー曲。サビの1文が「出会ったときはこんな日が~」は当たり前すぎることを歌っていて、思わず覚えてしまう歌詞。例えるならば”塩がしょっぱい”というようなもの。その当たり前さが逆に新鮮で、だれも表現したことがなかったから頭に焼き付かれた。

 

6位:西野カナ「会いたくて 会いたくて」
会いたくて 会いたくて/西野 カナ

<番組での解説>
会いたいソングの中でも究極のキャッチー、サビ頭の「震える」。そしてAメロでは、敢えて”書かない”で、想像させるテクニック。書かないことによって書いてる。全ては説明しない。

 

5位:竹内まりや「元気を出して」
REQUEST -30th Anniversary Edition-/竹内まりや
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<番組での解説>
失恋した友達に聞かせたい曲の王道。タイトルからあふれ出てくる前向きな気持ち。

 

4位:オフコース「さよなら」
OFF COURSE BEST "ever" EMI Years/オフコース

<番組での解説>
もはや説明不要。特に40~50代の支持を得ている失恋ソングの代表。

 

3位:HY「366日」
HY SUPER BEST/HY

<番組での解説>
「366日」というタイトルの意味、それは「365日じゃ足りないぐらいあなたに会いたい」という意味と、もしかすると閏年の人と恋をした・別れたという意味の、ダブルミーニングの可能性を持たせている。また、サビの歌詞では、おかしくないにもかかわらず「おかしいでしょう?」というダブルバインドという矛盾の表現方法が入っており、強烈なインパクトのおかげで、おもわず口ずさんでしまう。

 

2位:槇原敬之「もう恋なんてしない」
もう恋なんてしない/槇原敬之
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<番組での解説>
完璧な曲つくり。まずAメロは半径5mの描写で主人公の手の届く範囲。つづいてBメロで半径0m、主人公の心理表現。サビでは半径100m超え、空や海など手の届かない感情。そして最後に「恋なんてしないなんで言わない」という強がり。完璧すぎる曲つくり。

 

1位:プリンセスプリンセス「M」
SINGLES 1987-1992/PRINCESS PRINCESS
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<番組での解説>
この曲はサビの後にAメロを繰り返すことで、誰もが「M」を口ずさむときに「いつも一緒に」とAメロから歌いだしてしまう、不思議だけどちゃんと理由のある歌。

 

いかがでしたでしょうか?

こんな時代だからこそ、なんでもかんでも共有しないで、たまには一人で噛みしめる音楽の聴き方も新鮮さを感じると思います。